京都家庭医療学センター

京都家庭医療学センター

Kyoto center for family medicine (KCFM)

トピックス

BATHE法、Positive BATHE法を学ぼう!! 

~ストレスを抱える患者さんの外来診療のコミュニケーション改善~
~モノクロの慢性疾患外来に彩りを~

第17回 若手医師のための家庭医療学冬期セミナー WS17 報告 

<開催日時> 2022年 2月 6日 13:00-14:40

<振り返り>
参加者の皆様、学会事務局、京都家庭医療学センターの方々のおかげで、当日は非常に学びの多いワークショップとなりました。本当にありがとうございました。
ライブセッション当日は、北海道から九州までの若手医師を中心に27名が参加していただきました。京都家庭医療学センターのスタッフは、6名が参加しました。
事前アンケートを基に、参加者のニーズ(話の長い方の外来診療のタイムマネジメントに苦労している、BATHE法、Positive BATHE法)を確認して、プレゼン内容を最終決定しました。
スライド講演のあと、ブレイクアウトルームでのグループワーク、ロールプレイ、フィードバック、意見交流を行いました。反省点は、プレゼンが早口だったこと、ロールプレイ時の虎の巻が準備されていなかったことなどありましたが、事後アンケート(回答率44%)によると、参加者の方には概ねご満足いただけたワークショップとなったようです。全体の満足度は10点満点で平均9点いただき、BATHE法、Positive BATHE法の理解は、平均8.1点、実践したいかは平均9.1点でした。
講演では、枠組みを意識した外来診療、最初が肝心で、本当の受診理由を明確化する重要性、関心事は最初に全て列挙してもらうこと、患者中心の医療、”The fifteen minute hour”からBATHE法、Positive BATHE法を説明して、具体例、実践時のtipsを紹介しました。また、ニーズの多かった話の長い方への対処法なども紹介しました。オンラインによるロールプレイでは、慣れないフレームワークでもあり、ぎごちなさはあったかもしれませんが、事前にシナリオをしっかり読み込まれていた方が多く、本領を発揮して、迫真のロールプレイとなりBATHE法、Positive BATHE法を適用されました。フィードバックにて患者さんの心の動きを共有、医師役自身も、「Positive BATHE法をすることで心がポジティブになれる」という感想もありました。参加者同士から、見習いたい点を見出すなどの学びもそれぞれあり、普段の診療時の工夫の交流ができたことも良かったようです。
「BATHE/positive BATHEの使い方、使い分けがよくわかりました。その中でFIFEを用いて解釈モデルを聞くなど、いろいろな面接技法とも親和性が高いと感じました。安定している人にもこの技術を用いて患者-医師関係をより強固にできると思ったので頑張って実践してみようと思えました。」と、WS主催者冥利に尽きる感想もいただき、非常に嬉しく思います。年末年始の頑張りが報われました。
また、これまではオンラインでのグループワーク結果の共有が課題でしたが、今回クラウドサービスをやっと上手く活用できて、記録がしっかりと残ったこと、全体にも分かりやすく共有できました。
ネクストステップを生かして、今後、よりよいWSを開催していきたいです。

<キーワード> #BATHE法 #Positive BATHE法 #患者中心の医療 #外来診療のコミュニケーションスキル

京都家庭医療学センター(KCFM)/ ふくちやま協立診療所 寺本 敬一