京都家庭医療学センター

京都家庭医療学センター

Kyoto center for family medicine (KCFM)

トピックス

Revitalizing Primary Care, Part 1:
Root Causes of Primary Care’s Problems 

Ann Fam Med 2022;20:464-468. https://doi.org/10.1370/afm.2858 

概要

この 2部構成のエッセイでは、米国のプライマリ・ケアにおける健康についての議論を提供する。第1部では、プライマリ・ケアの問題の根本原因は、(1) プライマリ・ケアに費やされる国の医療費(プライマリ・ケア関連支出)の割合が低いことと、(2) 対象患者が多すぎてチームを持たない臨床医が管理できる範囲をこえているため燃え尽き症候群が広がり、患者のアクセスが悪くなっていることであることを論ずる。

このエッセイで使用される情報は、エビデンスの要約によって裏付けられた、私の個人的な臨床および政策経験から得られたものである。分析は、数十の診療所への訪問と、何百人もの臨床医、診療所のリーダー、および診療所のスタッフへのインタビューに大きく依存している。

2016年には、米国は総医療費の約5.4%をプライマリ・ケアに支出したが、経済協力開発機構 (OECD) の22か国の平均は7.8% であった。米国のプライマリ・ケア パネルの平均サイズは約2,000であり、これは有効なチームを持たない臨床医が適切なケアを提供するには、1日17時間必要な規模である。プライマリ・ケア関連の支出が少ないこととパネルサイズが大きすぎることは関連している。なぜなら、多くの医学生は、持続不可能なワークライフバランスを伴う資金不足の実践を特徴とするキャリアを避けたがるからである。

過去20年間、多くのイニシアチブ (このエッセイの第2部で検討する) がこれらの問題に対処しようと試みてきた。第2部では、プライマリ・ケアを活性化するための、2つの根本的な改革の必要性について議論する。それは(1)プライマリ・ケアへの支出を増やすこと、(2)大規模なパネルをケアする能力を持つ強力なチームを作ることである。