京都家庭医療学センター

京都家庭医療学センター

Kyoto center for family medicine (KCFM)

トピックス

5月のレジデントデイまとめ

まず近況報告の後、気になった症例について簡単に報告しました。
① 心不全増悪で入院中の高齢女性。頻脈性心房細動あり、レートコントロールのためβブロッカー(ビソノテープ)使用したが低血圧になり中止。血圧低下きたしにくい薬剤として、悩んだ結果ジゴキシン投与を開始した。血中濃度測定しつつ使用しながら使用し、頻脈は改善したが、数日後に食事が食べられなくなり、ジゴキシン濃度は中毒域になっていた。薬剤選択に悩んでいる。
食思不振はジゴキシン中毒の症状と思われる。ジゴキシン中毒になると、食べれない→脱水→更に血中濃度高まる、という負のサイクルに陥りがちで注意が必要。
② 要介護の高齢女性。うっ血心不全で入院し、利尿剤で治療していたが、BUN/Creの悪化あり治療に難渋していた。また、採血で貧血や蛋白Alb乖離、胸部CTで肋骨に接する腫瘍を疑う陰影あり、多発性骨髄腫を疑った。骨髄穿刺はしていないが、蛋白分画など血清学的な検査から多発性骨髄腫と臨床的に診断し、方針を決めていく予定。
次に、ポートフォリオについて、過去の例を参照しながらレクチャーしていただきました。
・その患者さんの診療を通じて何を学んだかを最初に簡潔に言えるようにすること
・なぜその症例を選んだか。どのようなことに困り、どのような対応をして、どのように成長できたか、を意識して書くようにすること
など、教えていただきました。
今月は(自分も含め)心不全で悩んだ報告が多く、他のレジデントの困りごとから学ぶことも多かったです。ポートフォリオは、出来れば患者さんの診療と並行して書き進めるのが望ましいそうなので、少しずつポートフォリオにもチャレンジしてみようと思いました。
報告者:加瀬  1年目専攻医