Risk of Dementia After Smoking Cessation in Patients With
Newly Diagnosed Atrial Fibrillation
JAMA Network Open. 2022;5(6):e2217132. doi:10.1001/jamanetworkopen.2022.17132
要約
重要性
偶発的な心房細動(AF)は、認知症の増加に関連している。しかしながら、心房細動診断後の禁煙と認知症リスクとの関連に関するデータは限られている。
目的
AF診断後の喫煙状態の変化と認知症リスクとの関連を評価すること。
設計、設定、および対象者
126252人の患者を対象としたこの全国的なコホート調査では、AF診断の前後2年以内に国民健康診断を受けた患者を含む2010年1月1日から2016年12月31日までの韓国国民健康保険サービスデータベースのデータを使用した。 対象者は、非喫煙者、元喫煙者、禁煙喫煙者、および現喫煙者として分類された。元喫煙者とは、最初の健診以前に禁煙し、2回目の健診でも禁煙したままの人と定義した。最初の健診では喫煙していたが、2回目の健診までに禁煙した患者は禁煙喫煙者として分類した。基準日は2回目の健診日とした。認知症、死亡、または研究期間終了(2017年12月31日)のいずれかの早い期間まで、患者を追跡調査した。データは2020年1月13日から2022年3月29日まで分析された。
暴露
新たにAFと診断された後の禁煙。
主な結果と計測
アルツハイマー病と血管性認知症を含む認知症を主な転機とした。コックス比例ハザード回帰モデルを使用してハザード比を計測した。
結果
合計126252人の患者(平均[SD]年齢、62.6[12.0]歳;61.9%男性)が分析に含まれた。虚血性脳卒中のリスクを測定する平均(SD)CHA2DS2-VAScスコアは2.7(1.7)であった。全調査対象集団の喫煙状況は次のとおり:65,579人の非喫煙者(51.9%)、34,670人の元喫煙者(27.5%)、8919人の禁煙喫煙者(7.1%)、および17,084人の現喫煙者(13.5%)。追跡期間の中央値3年間で、5925人の患者に認知症が発生した(1000人年あたり1.11人)。多変量調整後、禁煙喫煙者のリスクは現在の喫煙者のリスクよりも有意に低かった(ハザード比、0.83 [95%CI、0.72-0.95])。
結論と関連性
コホート研究では、すべてのタイプの喫煙者において、新たに発症した心房細動に伴う認知症リスクが有意に高いことに関連していた。 AF診断後の禁煙は、現喫煙者よりも認知症のリスクが低いことに関連していた。これらの知見は、新たに発症した心房細動患者の認知症リスクを減らすために禁煙を促進することを支持するであろう。
キーポイント
臨床的疑問
新たに心房細動(AF)と診断された患者の禁煙は、認知症の発症リスクの低下と関連するか?
研究結果
韓国で新たに発症したAF患者126252人を対象としたコホート研究では、AF診断後の禁煙は、喫煙を継続した患者に比べて、認知症のリスクが有意に低いことに関連していた。
臨床的意味
これらの知見は、心房細動に関連する認知症の疾病負荷を軽減するために、新たに心房細動と診断された患者において禁煙をより積極的に推進できることを示唆している。