新型コロナウイルス感染拡大防止のため、オンライン開催で、合計16名の方に参加をしていただきました。内訳は、太子道診療所の安藤先生、京都民医連初期研修医のお二人の先生とKCFMの医師11名、事務スタッフ2名でした。
まず、京都民医連中央病院の山田 豊先生が、8/8に開催予定の日本プライマリ・ケア連合学会 夏期セミナーのプレ企画として、「コーチング 人生100年時代のエッセンシャルスキル」というワークショップをされました。#タグコーチングの講義でコーチングの理論的背景、実践方法の勉強になり、ロールプレイも数回あり、コーチングの効果も実感でき学習効果も高まる非常に学びの深いセミナーでした。小生は、小児外科医を目指す先生とペアを組みました。若い先生が、より多くの人に貢献したいということでアジアなど海外で働くことを考えられていました。その思いが清々しく頼もしく感じ、元気をもらうことができました。医師は、教育、管理などで面接の機会も多く、コーチングは確かに必要かつ重要なスキルの一つだと思います。今回判明した進行上の課題等を克服して、8/8当日は、より練り上げられた素晴らしいセミナーが提供されることを期待しています。
第二部では、KCFMの専攻医の3名が3年間の研修を振り返り、各自が自由な形で発表してくださりました。
前川高洋先生は、バイオテクノロジーを国内で学び、動物愛護のお仕事でイギリスに渡り、その後一念発起され、まさに#ジャングルジム型の道のりで医師となられました。近畿大学で初期研修後、地域医療研修先で訪問診療、総合診療の魅力に気づき、研修先におられたKCFM出身の太田敦先生の紹介で、KCFMにて第1期生となる総合診療専門医研修を開始されました。当初は、大学病院とは全く違う医療環境に戸惑われましたが、#SDH(健康の社会的決定要因)満載でいわゆる社会的背景、経済的困難を抱える方々を在宅、入院、外来など継続的・全人的な診療を通して診療し、#多職種チームの底力、連携の重要性について実感され、医師として大きく成長されたことがよく分かりました。常に患者さんの笑顔のために何ができるのか、何をするべきなのか、寄り添って考えられる姿勢が素敵だと思いました。
大庭まり子先生は、長野県の佐久総合病院で初期研修、形成外科の後期研修を経て、KCFMの研修を開始されました。大庭先生も、医学的、社会的に非常な困難を抱える方々によりそい、多職種のチームでリーダーシップを発揮され、見事に患者さんやご家族が笑顔で過ごされるように尽くしてこられたことがよく分かりました。#ポートフォリオで取り上げられた方々の対応は、ベテラン医師でも難しいレベルで、現時点でも到達度は非常に高く、間違いなく優秀な医師だと思われます。病院での転倒事例の分析は、京都民医連学術運動交流集会、日本プライマリ・ケア連合学会で発表、医学雑誌にも取り上げられるほどのご活躍でした。それでも、理想を高くもたれ、自身の課題をみつけ、克服されようとする姿勢が素敵です。さらに、#女性医師として出産、子育てをしながらの研修であったことも驚異的です。当日は可愛いご子息もご登場いただきながらのプレゼンでした。現在は、総合診療医としてのアイデンティクライシスも感じられているようですが、これまでの到達、患者さん、スタッフに与えた影響は非常にポジティブなものであったことは間違いなく、自信と誇りを持って良いと思いますし、今後も患者さんに寄り添いながら高いレベルの医療を提供する医師となられることを確信しております。
山田美登里先生は、亀田総合病院で初期研修を修了、安房地域医療センター/亀田ファミリークリニック館山で総合診療の後期研修も開始されていましたが、出産、子育てのため京都に転居され、KCFMのプログラムに転籍されていました。女性医師で授乳、搾乳、子育♯てをしながらの後期研修でしたが、多様な場面での診療経験を通して多数のポートフォリ♯オを記載、JOSLERの症例記録など多数のタスクを見事に達成されました。ポートフォリオで大変だったにも関わらず、当日は、3年間の後期研修について、自分自身を ポートフォ♯リオとしてまとめるという興味深いプレゼンを発表してくださりました。全国から優秀な医師が集まる亀田総合病院で家庭医の先生の優秀さに圧倒されて、家庭医になることを諦めかけたこともあったとのことでしたが、やはり自分自身がやりがいを感じるのは家庭医療であることを再認識され、家庭医の道へ進むことを決意されました。これまで表に出されていなかった葛藤も言語化して、問題点を明らかにして克服されてきた軌跡がよく分かりました。また、KCFMのHPリニューアルにおいてもリーダーシップを発揮し、より見やすいHPに生まれ変わりました。また、プログラム見学者への対応、広報活動、プログラムのために積極的に建設的な提案も多くしていただきありがとうございました。先生の持ち前の明るさと笑顔で周りの人を元気にしてくれると感じました。その上でしっかりと勉強も積み重ね、素敵な家庭医になられていると思います。
3名の専攻医の方々、3年間本当にお疲れ様でした。皆様がKCFMのプログラムに在籍していただいたことを誇りに思います。皆様のご健康とご活躍を心よりお祈り申し上げます。ご指摘いただいたプログラム上の課題を整理して、よりよいプログラムとして、患者さん、地域の方々の健康、笑顔をふやせるようにしてまいりたいと強く思いました。最後になりましたが、真夏の土曜の昼下がり、ご参加いただいた方々に改めて御礼申し上げます。
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記事作成者:寺本 敬一(ふくちやま協立診療所)