KCFM指導医兼京都協立病院院長の玉木です。京都協立病院は人口3万3千人の京都府綾部市にある地域密着型の小病院です。
当院では、昨年度病院方針にLGBTフレンドリーな病院、ジェンダー平等病院を目指すことを掲げ、取り組んできました。その取り組みのキックオフとして、昨年秋に現在京都精華大学や大阪人間科学大などで、ジェンダー問題にとどまらずティーンの性教育者や恋愛相談屋さんとして幅広くご活躍の「あかた ちかこ」さんをお招きし、学習会を開催しました(詳しくは当院のスタッフブログを参考→https://www.kyoto-kyoritsu.org/staffblog/page/3/)。講義を貫いていたメッセージは、LGBT問題とは「性で悩んでいる可愛そうな人たちの問題」ではなく、「人権・差別の問題」だということです。つまり、あなたと私は違うという「違い」を出発点とした「認めあい」ができているかという問題だということ。そして、「人権を擁護する」ということは「人とは違って当たり前」の自分自身を擁護することに帰結する、ということです。他にも、「性別」と一言で言ってもそこには社会的性別、性自認、身体的性別の分類があり、その解釈は非常に複雑であること。「性別は揺らぐもの」「自分の性別は他人(ひと)ではなく自分で決めるもの」などの言葉は医療人としては知っておくべき重要な認識だと感じました。更に、今年5月には「だれでもトイレ」のピクトグラムを病院トイレに実装することができました。
当院ではジェンダー平等への取り組みを前に進めるため、担当委員会を設置し、できることをリストアップして少しずつ改善を図っています。これらの取り組みを今後も継続し、LGBTQsの人々が少しでも利用しやすい病院目指していきたいと考えています。
記事作成者:玉木千里