京都家庭医療学センター

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Kyoto center for family medicine (KCFM)

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無料低額診療事業の前向きコホート研究が英文論文としてこの世に出ました!!

私達の法人における無料低額診療事業の前向きコホート研究が英文論文としてこの世に出ました(Changes in health-related quality of life among impoverished persons in the Free/Low-Cost Medical Care Program in Japan: Evidence from a prospective cohort study https://doi.org/10.2188/jea.JE20210005)。
無料低額診療事業の実態評価の英語論文としては国内初!となります。
研究をまとめてくださった西岡大輔先生、本当にありがとうございました!
以下、西岡先生のコメント
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この研究でわかったことは、
①無低診の利用者では、低所得であるほど身体的健康度と精神的健康度が改善していた
②ひとり暮らしの無低診の利用者では、身体的健康度と精神的健康度が改善しにくかった 
ということでした。
以上より、ひとり暮らしの無低診の利用者では、医療費に対する経済的な援助以外にもさらなる社会的な援助を必要とする可能性がありました。経済的な支援では解決し得ない生活困窮があるのかもしれません。
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今コロナ禍で、多くの人が職を失い、貧困に追いやられ、受診したくても保険診療が受けられない人が増えていることが予想される中、ますます無料低額診療は注目され、そのプレゼンスとニーズは高まっているはずです。
この発表を皮切りに、無低診のエビデンスを作っていくために、京都府内で無低診のレジストリを引き続き地道に作っていくこと、そして今度は日本国内に一般化できるように事業を大きく展開、発展させていきたいです!

キーワード:無料低額診療、無低診、京都、前向きコホート研究
記事作成者:玉木千里