京都家庭医療学センター

京都家庭医療学センター

Kyoto center for family medicine (KCFM)

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この症例の糖尿病治療どうすれば良い?

 本日のレジデント・デイは5名で開催しました。最初の近況報告では、専攻医の先生の母親がけがをされたとの話から、受診された際に田舎の人は土によく触れているので破傷風ワクチンは必要ないと言われたらしいとの話を聞き、びっくりしました。むしろ田舎の人のほうがなることは多いのではないのかな?また、コロナワクチンに関しては京都では供給が不安定らしく、私たち自身もまだ打てておらずいつになるのかが不透明な状況である話も出ました。医療従事者もまだ打てていない状況で、一般の方はいつになれば打てるようになるのでしょうかね?家庭医や総合診療プログラムに関しては提出物や期限が2転3転していることについても触れられており、自分も当事者として急な提出物の追加や提出期限の変更・システム使用料などの追加など色々振り回されており何とかならないものかなと感じました。
 症例相談ではがんの多発転移がある患者さんが糖尿病で外来受診されているケースについての相談がありました。食事指導など生活習慣の管理が難しく、インスリンの注射を行われているとのことでした。インスリンがすでに始められている場合、インスリン抵抗性やGAD抗体などの検査の必要性はあるのか、内服薬の調整はどのようにしたらよいのかなど質問が上がり、インスリンとSU薬は減らしたいが、癌の多発転移があり予後のことを考えるとあまり血糖などに固執するのもどうだろうといった意見や、金銭的な問題もあり、使える内服はどのようなものが良いかという話で盛り上がりました。本人や関係者の意向を聞いてよりよい解決策を考えていったほうがよいという家庭医らしいアプローチでの検討もなされていました。画一的な医療を行うのではなくその人にあった医療を考えてゆくのはやりがいがあるなと思いました。
 来週は年度最後のレジデントです。症例相談、ポートフォリオの検討などを行う予定です。乞うご期待!

キーワード:破傷風ワクチン、コロナワクチン、糖尿病、症例相談
記事作成者:前川高洋