2020年10月29日に完全オンラインによる京都北部学術運動交流集会を開催しました。この集会の学習記念講演として現在京都精華大学や大阪人間科学大などで、ジェンダー問題にとどまらずティーンの性教育者や恋愛相談屋さんとして幅広くご活躍の「あかた ちかこ」さんをお招きし、LGBTについての学習会を開催しました。(あかたさんの紹介はこちらの記事など参考に https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/115297)
みなさんは「LGBTを知ってどうすんの?」「LGBTのことについて学ぶのは誰のため?」「LGBT問題って何が問題?」「カミングアウトが一番しづらい相手は?その理由は?」「そんならカミングアウトしいひんかったらいいやん、ってどうなん?」「LGBTのなにがしんどいの?」という問いかけに明快な解答を持っておられますか?今回の講演では、これらの質問を聴講者に投げかけつつ、重いテーマでありながら、終始テンポの良い大阪弁と大きなジェスチャー、そして豊かな表情によって楽しく語られる内容に終始笑わされ、泣かされ、圧倒されっぱなしの1時間でした。
講義を貫いていたメッセージは、LGBT問題とは「性で悩んでいる可愛そうな人たちの問題」ではなく、「人権・差別の問題」だということです。つまり、あなたと私は違うという「違い」を出発点とした「認めあい」ができているかという問題だということ。そして、「人権を擁護する」ということは「人とは違って当たり前」の自分自身を擁護することに帰結する、ということです。他にも、「性別」と一言で言ってもそこには社会的性別、性自認、身体的性別の分類があり、その解釈は非常に複雑であることを学びましたし、「性別は揺らぐもの」「自分の性別は他人(ひと)ではなく自分で決めるもの」などの言葉は医療人としては知っておくべき重要な認識だと感じました。
今回の学習を機に、これから病院としてすべての患者さんが「快適」まではいかなくても「居て不愉快にならない」病院をどうしたら作っていけるかを検討していきたいと強く心に刻みました。
記事作成者:玉木千里