京都家庭医療学センター

京都家庭医療学センター

Kyoto center for family medicine (KCFM)

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専攻医の振り返り&Significant Emotional Event Analysis

 本日のレジデントデイは、指導医・専攻医合わせて6名で行われ、振り返り、SEEAをメインに、ポートフォリオ、J-OSLERの話題やソリューションフォーカストアプローチ(solution focused approach)といった手法などが話題に上がりました。
 近況報告・振り返りでは、総合診療専門医をとるためにPF(ポートフォリオ)、J-OSLERへの症例登録、所属プログラムでの修了試験など期限が限られた中でやらなければいけないことが多く焦っているといった話や、教育の難しさについての話、アルコール依存症の患者さんでソリューションフォーカストアプローチを使いうまくいったという話などがでました。ちなみにソリューションフォーカストアプローチ(Jpn J Psychosom Med 40:105-110,2000より)とは、短期療法の一つで原因の追求を行うことはせずに未来の解決像を構築してゆくことが特徴で、これにより短期に望ましい変化を得られるそうです。色々と応用できそうな手法ですね。
 その後のSEEAでは経済的に困窮した患者さんが受診できなくなり2年後に救急搬送されてきた事例について、電話連絡はしていたものの受診されなかったという背景があることから、どうすればここまでならずに介入できたかについて話し合いがなされました。電話連絡などでも来院できなかった患者さんには自宅訪問も考慮するといった案などが出されました。今回のケースだけでなく、こういった患者さんは他にも一定数おられると考えられ、私たちがどのようにこのような方々を医療から孤立させないか日ごろから関心を持っておくことが重要であると感じました。

キーワード:レジデントデイ、SEEA、振り返り、ソリューションフォーカストアプローチ(solution focused approach)、医療からの孤立
記事作成:前川高洋