京都家庭医療学センター

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Kyoto center for family medicine (KCFM)

トピックス

2020年8月25日 「レジデントデイ_ポートフォリオ検討」

本日のレジデントデイは、6名の参加でweb開催で行いました。
近況報告では、COVID19の患者さんとの接触から自身がPCR検査を受けたことなどが報告され、普段からの感染防御措置の必要性などが再確認されました。
その後、ポートフォリオ検討を行いました。ポートフォリオとは、研修中に獲得すべき目標に対して、自身の経験を省察的に振り返る中で学びや課題を明らかにして記したものです。それは、研修の記録であり、自身の成長の記録でもあります。
今回は、2つのポートフォリオについて検討しました。
1つめは、80代の方で、尿路感染症後リハビリテーションを進めようとしていた矢先に脳梗塞を発症された事例です。心房細動がありそれからの脳塞栓なのか、長期臥床からの離床により、深部静脈血栓症が奇異性脳塞栓を起こしたのか、などが議論となりました。いずれにせよ、予期せぬ発症であり、院内での振り返りカンファレンスやSEA(Significant Event Analysis)での個人的な振り返りが有効ではないかとの意見が出ました。
2つめは、70代の多系統萎縮症の方の誤嚥性肺炎での入院に当たり、妻が病院への不信感やこれまでの担当医に対する不満を涙ながらに訴えられた事例です。一時間以上にわたりお話を傾聴し、家族の労をねぎらうとともに病院としていたらなかった点を謝罪し、家族の思いを職員間で共有しながら家族とのコミュニケーションや患者ケアを綿密に進めることで、家族の不信感や不安が和らぎ、関係が改善し、それに伴い「難しい患者さん」から「愛情深い患者さんご家族」という認識に変わった事例です。患者・家族の思いと医療者の思いがすれ違うことはわりとよく経験されることで、患者・家族中心の医療の視点を持つことで医療ケアが劇的に改善することを示したポートフォリオでした。」
次回のレジデント・デイは、振り返りとSEEAです。乞うご期待!

文責 高木幸夫