輪読会はマクウィーニーの家庭医療学が終わり, 尾藤誠司著書の「患者の意思決定にどう関わるか?」について読み始めました。ヘルスケアのにおける意思決定の特徴, インフォームド・コンセントの構造と課題について学びました。
症例検討は3例挙げられました。1例目は90台女性の方で主訴は呼気時のwheezeと浮腫。左室収縮能は良好であり, 治療としてはARB、ACEi、MRAは高K血症があり使用が難しく, フロセミドやアゾセミドで治療するもwheezeが持続していました。薬剤の確認を行い, 治療としてはARB、ACEiを使用しつつ, 利尿薬等でKの調節を行う, 体重目標を設定し, 利尿薬を調節するなどアドバイスを頂きました。鑑別に気管支喘息, 声門機能不全が挙げられました。
2例目は70台女性, 脳腫瘍, BSCの患者でいよいよ内服, 経口摂取ができなくなってきた症例。意識状態が悪く, 自宅で診るのは難しいと感じていた家族が, 終末期に近づき少しでも一緒にいたい, 自宅でみたいと気持ちが変わっていきました。自宅退院にあたり, 痙攣重積発作への対応や脳腫瘍患者の終末期にたいしどのように対応すればよいか, 相談がありました。夫の気持ちが変わった経緯に着目し話を聞いてみる, 抗痙攣薬や鎮静薬の挿肛についてなどアドバイスがありました。
3例目は数年前より健康診断で高LDL血症が指摘されている30台男性。家族性高コレステロール血症は否定的であり, 生活習慣の改善を指導し3か月後にフォローとなりました。ラーメンをやめる, 運動するなどで体重が3㎏減るもLDL値は変わらず。患者は心が折れてしまい, 1年後の健診を受けると約束するも次の外来にはつながりませんでした。患者の感情面に配慮し, 健康な生活とは患者にとってどんなイメージか, どのような生活習慣なら続けられそうか, しんどければどれくらいならできそうかなど話し合い, 患者が健康な生活に近づけるよう支援していきましょうとアドバイスがありました。
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