輪読会ではマクウィニーの『家庭医療学』の学習を開始しました。今回は家庭医療学の起源について学びました。ジェネラリストの必要性が20世紀の半ば頃から強く意識されるようになりました。専門細分化が進んだことが背景にあり、統合的・継続的・患者中心的な医療を実践する医師として家庭医療医が強く求められるようになりました。
レジデントデイでは、ポートフォリオ作成に向けて、症例検討が行われました。提示された症例のひとつは、とある在宅患者についてです。あまり侵襲的ではないが、行わないと患者の命に影響が出かねない処置について、ご家族の同意が得られず、ジレンマの状態となっている件でした。解決に向けてできそうなこととして、
・何が、その方にとって同意を拒む要因となっているか、しっかりと明らかにするべきである
・患者にとってどうすれば苦しくないように過ごせるか、幾つもの選択肢を提示することが好ましい
・ご家族と医療者が、対立していると捉えるのではなく、患者が楽に過ごすにはどうしたらいいか協力すると捉えるべきである
以上のことが提案されました。
衝突がある時や、患者・家族から色々話される時は、苦しんでいることが示唆されているとのご指摘がありました。『苦悩とケアの人類学』にそのことについて載っているようです。患者・家族が抱えている苦しみについて理解することも解決に向けてできることと思われます。
もう一つの症例に、家父長的にふるまう入院患者について提示がありました。その人の家族背景や社会的背景に、その患者がそのようにふるまういかなる要因があったのかについて考えました。
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