京都家庭医療学センター

京都家庭医療学センター

Kyoto center for family medicine (KCFM)

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風邪診療の勉強、SEEAで振り返り

 本日の輪読会では風邪診療について学びました。著者の先生は診療所の家庭医としてどう考えて診察を進めているかを記載されていました。気道症状が乏しく熱のみが目立つ場合はどうするか、咽頭所見からは何が考えられるか、痒みや蕁麻疹を伴う場合はどうか、どの場合に急性喉頭蓋炎や伝染性単核球症を疑うか等、そしてそれ以外の多くの症状や疾患について考えさせられました。

 輪読会の後、近況報告があり、それからSEEAを行いました。

 症例1:定期的に通院されている外来患者です。多くの悩みを抱えています。特に人間関係で悩んでいます。担当医師は、患者の悩みを和らげることがなかなかできていません。周りに話し相手になれそうな方々も見つかりません。問題を整理し患者が何を望んでいるかを確認することが重要であることのご指摘がSEEAでありました。

 症例2:かかりつけ医から紹介された外来患者です。元々の紹介理由であった疾患の治療は終了したのですが、その後なぜか息切れが続いていました。慢性閉塞性肺疾患や不安症が元々あり、これが息切れの原因として鑑別にあがり、前者に対して担当医師は吸入薬を処方しましたが改善しませんでした。ホルター心電図検査を実施した結果、頻回の心室性期外収縮が見つかり、これが息切れの原因と考えられました。非特異的な症状であり、しかも他の疾患が併存していて、鑑別が難しく感じられた症例でした。

 症例3:入院患者です。傾眠傾向でした。担当医師は、過去の診療録の内容を確認した結果、意思疎通がうまくいくか心配でした。実際には、思っていたより意思疎通が出来ました。また、担当医師は、患者のSOGI(*)に基づいた入院部屋の選定についても考えました。患者は、そのことについてはあまり気にしていないとおっしゃって、誰もが納得する形で部屋が見つかりました。

*SOGI・・・Sexual Orientation and Gender Identityの略。性的指向と性自認。

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