京都家庭医療学センター

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Kyoto center for family medicine (KCFM)

トピックス

Accelerometer-Derived “Weekend Warrior” Physical Activity and Incident Cardiovascular Disease / 加速度計による週末戦士の運動と潜在性の心血管疾患の罹患率

Shaan Khurshid, MD, MPH etal
JAMA. 2023;330(3):247-252. doi:10.1001/jama.2023.10875
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2807286

この文献を選んだ背景

毎日の運動は難しいという人に朗報!! 運動の頻度に関しての大規模研究。週に150分でなく、120分でもよいかも。長すぎるのはよくなさそう。RCTではないこと、加速度計による測定の妥当性など限界はあるが、診療を変化させる文献になるかも。Weekend Warriorという表現も面白いですね。

疑問)中等度から高度の強度の運動を週末の1-2日に集中して行う(つまり、週末戦士パターン(以下WW))ことは、平均的に運動することによる心血管系利益は同等であるか
知見)89573名の加速器による運動量の分析によって、WWは、潜在性の心房細動、心筋梗塞、心不全、脳卒中のリスクを、平均的に運動する人と同じくらいリスクが減った。
意味)運動量の増加は、たとえ、週1-2回に集中していても、心血管系のリスクを改善することに有効
重要性)ガイドラインは、1週間に150分以上の中等度から高度の強度の運動(以下MVPA:moderate to vigorous physical activity)が全体の健康によいと勧めています。しかし、運動を集中的に行うか平均的に行うかによっての相対的効果は不明瞭です。

目的)加速度測定で判定したWWと平均的に運動をした人との心血管イベントの罹患率を調査した。
デザイン、セッティング、参加者)イギリスのブロバンク(Blobank)のコホート研究を後ろ向きに分析 2013/6/8-2015/12/30 3つのMVPAパターン(活動的なWWパターン(週に150分以上の運動、1-2日で50%以上の運動))、平均的運動パターン((週に150分以上の運動、WWに適合しない)、運動をしない群。1週間に230.4分を閾値としても同様の分析がされた。
主要な結果と方法)運動パターンと潜在性の心房細動、心筋梗塞、心不全、脳卒中がコックス比例ハザード回帰モデルで、年齢、性別、人種、民族背景、喫煙歴、アルコール摂取、タウンセンドの地理的剥奪指標、雇用状態、自己評価式の健康状態、食事の質について調整をおこなった。
結果)合計89573名(平均年齢は62歳(SD:7.8歳))、56%が女性)が加速度計で調べられて登録された。150分以上のMVPAで層別化して、活動的なWWは合計37872名(42.2%)、規則的な運動する群は21473名(24.0%)、運動しない群は30228名(33.7%)。
多変数調節モデルにおいて、運動する両群で潜在性の心房細動の罹患を同じくらい減らした。活動的なWWのハザード比は0.78(95%CI、0.74-0.83)、平均的な運動群は 0.81(95%CI 0.74-1.88)、運動しない群はHR1.00(95%CI、0.91-1.10)心筋梗塞に関しては、活動的なWWのハザード比0.73(95%CI、0.67-0.80)、規則的な運動 0.64(95%CI 0.56-0.73)、運動しない群HR1.00(95%CI、0.91-1.10) 心不全に関しては、活動的なWWハザード比0.62(95%CI、0.56-0.68)、規則的な運動 0.65(95%CI 0.57-0.74)、運動しない群HR1.00(95%CI、0.92-1.09)脳卒中 に関しては、活動的なWW ハザード比0.79(95%CI、0.71-0.88)、規則的な運動群は0.83(95%CI 0.72-0.97)、運動しない群のHR1.00(95%CI、0.90-1.11)結果は、1週間のMVPAが230.4分でも同様。ただし、脳卒中については、有意ではなかった。つまり、活動的なWW ハザード比0.89(95%CI、0.79-1.02)、規則的な運動 0.87(95%CI 0.74-1.02)、運動しない群HR1.00(95%CI、0.90-1.11)
結論と関連性) 1-2日以内に集中して行う運動は、規則的に運動するのと同じくらい、心血管アウトカムのリスクを減らす。