京都家庭医療学センター

京都家庭医療学センター

Kyoto center for family medicine (KCFM)

トピックス

振り返り・SEEA「正解が見えない事柄に向き合っていく」

# 脳死状態で7年間、医師の役割とは
# 発見、ごみ屋敷、家庭医、緊急出動
# 電動車椅子を使いたい。先生助けて
 今週のレジデントデイは6名で、振り返りとSEAを行いました。

# 脳死状態7年間
 入浴中の事故で脳死状態となったが、両親はその死を受け入れることができず在宅で7年間介護を続けている。大変まれな事例であるが、医師はこの家族に対してどのようなサポートを行えるだろうか?
# 発見、ごみ屋敷、家庭医、緊急出動
 外来通院を中断している高齢男性。最後の診察時のきつい体臭が気になり、自宅を訪ねると、玄関から部屋まで山のようなごみが散乱していた、患者の生命が危ぶまれたため、すぐに110番通報し、警官に自宅内の捜索をお願いしたが、本人の姿はなかった。この騒ぎで近所の人が出てこられたので聞いてみると、40年以上前から独居で、現在のような生活を続けているらしい。その日は、患者と接触できず帰院したが、ご本人は支援を拒否されているようで、どのような働きかけができるのか、悩ましい。どうしたら患者さんの手助けになれるのか?
# 電動車椅子を使いたい。先生助けて
 訪問診療の脳出血後左半身麻痺の男性。4点杖歩行は可能であるが、外出するときに介助者の負担が少ない電動車椅子の使用を希望している。しかし、住居の周りの道路状態がよくないこともあり危険なためケアマネジャー含め周囲が反対している。医師はどう判断すべきだろうか?

 様々な事例があり、議論も白熱しました。家庭医としては、正解が見えない事柄にも向き合っていく必要がありますね。その後、「家族志向のケア」のポートリオの検討を行い今回は終了となりました。来週は、Journal clubの予定です。

キーワード:レジデントデイ セルフネグレクト 脳死状態 電動車椅子
記事作成者:中野 隆