京都家庭医療学センター

京都家庭医療学センター

Kyoto center for family medicine (KCFM)

トピックス

救急の観点からの症例提示

 近況報告では、多忙で病院に泊まりこんで仕事していたこと、頻回に家でゴキブリを見ること、在宅調整していた患者さんが急変して亡くなったこと、外来で自臭症?という患者さんがいて悩ましかったこと、などがあげられました。
 今回は救急の観点から、各先生に症例提示していただきました。
① 多疾患 転倒繰り返す高齢独居の患者さんが、うっ血性心不全 誤嚥性肺炎で入院。在宅につなげるために調整していたところ、イレウス発症し、その数日後に呼吸状態悪化して亡くなられた。嘔吐を繰り返していたため、誤嚥性肺炎 化学性肺炎(Mendelson症候群?)などの可能性が考えられた。また鑑別として肺塞栓が考えられ、造影CTが難しい場合は、心エコー 心電図 Wells criteriaなどを調べることが有用。
② 高齢 認知症の患者さんが心房細動 うっ血性心不全で入院。利尿剤で治療しているが、腎機能が悪化しており、このまま続けて良いか悩ましい。BUN/Creの上昇は脱水でもうっ血性心不全悪化でもありうるため、体重 浮腫 呼吸状態 心エコー所見 採血所見など総合的に判断する。
 別々の院所でも非常によく似た症例があり、驚きました。よく遭遇する病態は、総合診療医としてしっかり対処する必要があるため、学習を深めていきたいですね。
報告者:宮川卓也
キーワード:#症例提示 #総合診療医