京都家庭医療学センター

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Kyoto center for family medicine (KCFM)

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週に一回のインスリンが登場するかも!?

Switching to Once-Weekly Insulin Icodec Versus Once-Daily Insulin Glargine U100 in Type 2 Diabetes Inadequately Controlled on Daily Basal Insulin  :  A Phase 2 Randomized Controlled Trial

Diabetes Care 2021 Apr; dc202877. https://doi.org/10.2337/dc20-2877

要約

目的 インスリンicodec(icodec)は、週に1回の新しい基礎インスリンアナログである。この臨床試験では、毎日基礎インスリンと1つ以上の経口血糖降下薬を投与されている2型糖尿病患者を対象に、icodecと1日1回のインスリングラルギンU100(IGlar U100)に切り替える2つのアプローチを調査した。

研究デザインと方法 この多施設、非盲検、治療から標的への第2相試験では、基礎インスリン(10 〜50単位)を使用中の2型糖尿病患者(HbA1c 7.0–10.0%[53.0 –85.8 mmol / mol])を、初期100%負荷用量のicodec(最初の用量のみが2倍[icodec LD])群と初期負荷用量なしのicodec(icodec NLD)群、およびIGlarU100群に1:1:1にランダム化し、16週間投与した。主要エンドポイントは、継続的ブドウ糖モニタリングを使用して測定された、15週目と16週目の範囲内(TIR; 3.9–10.0 mmol / L [70–180 mg / dL])のパーセント時間とした。二次エンドポイントとして、HbA1c、有害事象(AE)、および低血糖症が含んだ。

結果 15週目と16週目の推定平均TIRは、72.9%(icodec LD; n = 54)、66.0%(icodec NLD; n = 50)、および65.0%(IGlar U100; n = 50)であり、icodecLD群がIGlar群に対して統計的に有意であった(7.9%-ポイント[95%CI 1.8–13.9%])。平均HbA1cは、ベースライン時の7.9%(62.8 mmol / mol)から7.1%(54.4 mmol / mol icodec LD)および7.4%(57.6 mmol / mol icodecNLDおよびIGlarU100)に低下した。 副作用と低血糖エピソードの発生率と割合は同等であった。

結論 毎日の基礎インスリンから週1回のicodecへの切り替えは忍容性が高く、効果的な血糖コントロールを提供した。週1回のicodecに切り替える際に初期負荷用量を加えることにより、低血糖のリスクを増加させることなく、1日1回のIGlarU100と比較して15週目と16週目のTIRの割合を大幅に増加させた。