京都家庭医療学センター

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Kyoto center for family medicine (KCFM)

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第4回ジャーナルクラブ「経鼻胃管から注入された半固形化栄養剤の逆流と誤嚥が気管閉塞を起こした症例」+振り返り・SEEA

 本日のレジデントデイは6名で、近況報告の後にジャーナルクラブ、振り返り・SEEAを行いました。
 家族の体調不良や、気になる患者さん訪問、積極的治療と緩和的治療の移行のタイミング、気候の変化による体調不良患者さんが増えた、などの近況報告後に、ジャーナルクラブ「経鼻胃管から注入された半固形化栄養剤の逆流と誤嚥が気管閉塞を起こした症例」の論文検討をしました。胃瘻からの半固形化栄養剤の注入によるメリットなどの報告は多いようですが、経鼻胃管からの半固形栄養剤の報告は少ないようですね。胃内からの逆流の場合、液状の栄養剤に比べると、半固形化栄養剤は致死的になりやすい、という注意喚起でした。胃瘻と経鼻胃管での逆流しやすさなども影響があるのか?という点や、経鼻胃管からの半固形化栄養剤は、胃内の酸性条件下で液体→半固形に変わるという前提のため、実際の胃内の形態確認ができない、実際の嚥下能力がどれくらいあったのか、経鼻胃管は必ずしも楽な手段ではない、など色々な視点からの意見が出てきました。
 次に、専攻医の振り返り、SEEA(Significant Emotional Event Analysis)を行いました。タイムマネジメントや臨床知識に問題意識を持っている、という内省があり、タイムマネジメントについては、先輩方の経験などを基にアドバイス(最初に時間やエネルギーが必要だが、しっかり情報整理すべし)がありました。臨床知識については、おススメの教科書を教えあったりしました。SEEAでは、「経口摂取困難な高齢患者さんの対応について、状態が良くないため今後の事を家族さんに伝えるのがつらい」という症例でした。高齢者の経口摂取困難という事例は度々経験しますが、難しい問題ですね。「正解」のない問題でもあり、多職種でアプローチしていくことが大切でしょうか。

キーワード:ジャーナルクラブ、振り返り、SEEA、経腸栄養、タイムマネジメント、教科書
文責:横山加奈子